アプリケーションの一斉配布・自動更新を実現!!~PowerClient~

手作業による各クライアントPCへのアプリケーション配布・更新は、その準備から現地へ出向いての配布・インストール作業ならびにその後の更新等のフォロー作業を含めて、情報システム担当者には負荷の大きい作業です。こうした配布工数削減のためにも Web 化は重要な検討課題ですが、セキュリティ要件や構築に際しての検証作業を含めて予想以上に開発投資が必要になり現実的に踏み切れないケースも散見されます。さらにはオペレーションマニュアルの新規作成やユーザーへの再教育も必要になるため、Web 化に躊躇されることも多々あります。PowerServer はPowerBuilder で開発したアプリケーションを簡単に素早く Web 化が実現できますので、システム全体の改修課題を含めて選択肢の一つにはなるでしょう。

しかし、このアプリケーション配布・更新に掛かる労力や負荷の課題解決のために PowerBuilder 2019 R3 では、 「PowerClient」 という新しいプロジェクトが追加され、PowerBuilder で開発したアプリケーションの配布・更新が Web サーバー経由で行えるようになりました。

アプリケーションを配布するために Web サーバーの構築が必要ですが、PowerClient の使い方はとても簡単で PowerBuilder IDE 上で Web サーバーへの配布プロジェクトを定義・設定するだけで使用できるようになります。ユーザーは初回のみブラウザーから Cloud App Launcher というプログラムをインストールすれば、その後は HTTP / HTTPS を介して PowerBuilder アプリケーションのインストールが行えるので、アプリケーションの一斉配布が実現できます。また機能改修を実施した場合は差分を Web サーバーに配布すれば、ユーザーがアプリケーションを起動するときに更新された差分が自動的にダウンロードされるため、アプリケーションの更新も自動化できます。

(PowerClientではDBクライアントの配布はできません)

PowerClient を使用したアプリケーション配布イメージ

PowerClientを使用したアプリケーション配布イメージ

また、プリロードイベントでコマンドラインパラメーター( DLL / OCX を登録するコマンドラインなど) を指定することで、アプリケーションの起動前にスクリプトを実行させることができるため、事前準備などの処理も自動化可能です。

実行オプション設定画面

PowerClient を使うことで、今まで実施していたアプリケーションを使用するために必要な事前準備作業や、手作業による各クライアントPCへの配布作業、またその後の更新自動化できますので、全てのユーザーが常に最新のアプリケーションを使用できます。配布・更新のためのスケジュール調整や急な実施日の変更などによる全体工数、また現地へ赴くための移動費用も削減できるので、運用コストの大幅な削減につながります。配布に関わる一連の作業の工数を他の開発活動等に振り替えられるため、この機能を使用するだけにでも PowerBuilder 2019 R3 へマイグレーションする価値が十分にあると考えます。

機能の詳細はマニュアルをご参照いただければと思いますが、PowerClientに関するテクニカルブログでもわかりやすく手順をご紹介しておりますので、あわせてご参照ください。

ただし・・・この PowerClient は Professional もしくは CloudPro Edition で提供されます。現在 Appeon PowerBuilder Standard Edition をご契約いただいているユーザー様は PowerBuilder 2019 R3 への移行とあわせて、エディションのアップグレードを是非ご検討ください!!

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