『あれから10年』に思うこと
あれからもう10年経ったのかぁ、という気がします。PowerBuilderの国内総代理店に弊社がなったのが2012年のことなので、PowerBuilder事業に携わってから大体10年と考えると、やっぱりそうなのだなと思うのですが、『東日本大震災』ということについては、10年という年月の経過が頭では理解できてもどこかでピンとこないような、不思議な気持ちになります。東北の各県におきましても、商社、流通業、倉庫業、食料品製造業、地方自治体など、様々なお客様にPowerBuilderをご愛顧いただいていて、先月2月の地震(関東地方でも大きな横揺れがありました)についてお話を伺わせていただくと、(物を少し片付けたりすることはあったようですが)特に支障はなく、週明けから普通に業務ができたよといったお話が多く、とても安心いたしました。
ところで、2017年の冬に陸前高田を訪ねたことがあります。行きは東北新幹線で岩手県一ノ関まで出て、JR東北本線で平泉へ移動し、中尊寺の金色堂と毛越寺の庭園を見ました。それから一ノ関へ戻って、大船渡線で気仙沼へ。そこからバスで陸前高田へ。震災から5年が経過していましたが、降り立った場所は、見渡す限り海までの広大な土地が盛り土され整地され、ショベルカーが土をならしていたり、大型のダンプカーが道路を点々と行き来していたりするような風景でした。
当日宿泊したホテルでは、結婚式の披露宴があったようで、地元の若い人たちが大勢集っていて、みな楽しそうにしていて、なんとなくホッとした心地がしたのを覚えています。翌日は、『奇跡の一本松』と元陸前高田ユースホステルの跡を見てから、新しい中心市街地にある大型複合商業施設『アバッセたかた』に行きました。ちょうどその日は『陸前高田市産業まつり』が開催されていて、子どもからお年寄りまでたくさんの地元の人が集って大賑わいでした。
牡蠣やホタテ、イクラやわかめ、その他様々な新鮮な海の幸が格安価格で直販されている青空市場や、ロッジ風の雑貨屋や喫茶店、『陸前高田市まちなか広場』では小さな子どもたちがわんさか元気に走り回っていたり、設営された舞台の上で地元学生のブラスバンドが音楽を演奏していたりと、とにかく活気に満ちていて、熱い思いがしました。
また、『アバッセたかた』に併設されている『陸前高田市立図書館』もよかったです。天井が高く広々として、木のぬくもりのあたたかい内装にどこかホッと一息つける空間。そんな図書館で、小さな子どもが親に絵本を読み聞かせてもらっていたり、小学生たちが何やら頭を寄せ合うようにして漫画を読んでいたり、中学生や高校生が机でノートを広げていたりするのを見ると、ほのぼのした気持ちになりました
その後は『陸前高田市コミュニティホール』で開催されていた『陸前高田市民芸術祭』で地元の人たちの色々な展示作品(絵画、写真、詩や俳句、パッチワーク、いけばな、つげ義春氏の漫画で知った水石、などなど)を見て回りました。作品そのものも面白かったのですが、作品に添えられた地元の方々の一言コメントがまた味わいがあって、時には色々と考えさせられることもありました。そんなこんなで夜までぶらぶらした後、帰りは久しぶりの夜行バスに揺られながら池袋に帰りました。
あれから考えると5年、ということになりますが、そう言うと短い気もしてきます。今はコロナで色々なことが自粛となってたいへんですが、日本国内での初感染確認から今年で1年。これから5年後、10年後には世の中どんな風になっているのかなぁと思いつつ、とりあえずのところ、自由に気兼ねなく旅行ができるようになったら、また陸前高田で『ホタワカ御膳』が食べたいなぁと思っている今日この頃です。