PowerBuilder生誕30周年を前に
1991年7月1日、コンピュータ・ソリューション(のちのパワーソフト)よりPowerBuilder1.0がリリースされ、早いもので来年30周年の記念すべき日を迎える事となります。
1991年というと、筆者は第3次全銀システム後期の渦中にあり、PL/Iと覚えたてのアセンブラに悪戦苦闘しておりましたが、部門内で話をしていると、一番若い営業マンは産まれたばかりですし、中堅の営業マンでさえ、私が日々通勤していた電算センターの前をランドセルを背負って通学していたと聞かされ、さすがに30年という時の長さを感じない訳には参りませんでした。
さて先月、米国から発信されたニュースに興味深いものがありました。 弊社が運営する 「PowerBuilder Japan Portal」のTwitterアカウント(@PBJapanPortal)でもつぶやきましたが、 ニュースソースは「求むCOBOLプログラマー」。 米国の複数の州で利用されている、失業保険関連システムがCOBOLで開発されており、急激に申請が増加したために処理が追い付かず、改修や維持管理のための技術者が大幅に不足しているとの事。
失業保険システムのみならず、ロイター通信社の調査では「銀行システムの43%、対面取引の80%、ATMの95%」がCOBOLで開発されているとか。 また、COBOL Cowboys社の調査ではフォーチュン500企業の90%がCOBOLプログラムを使い続けているとも。
※経産省が発表した2025年の崖は、日本だけの話では無かったのかも?…と思ったりもしました
また、COBOL言語の開発ツールを中心としたソフトウェア会社であるMicro Focus社のDerek Britton氏は「問題の根源はCOBOLではなく、COBOLプログラマーの不足ですらない。 問題は、壊れていないインフラにお金をかけようとする人などいないところにある。 その点で、コードと道路は同じようなものだ。 そしてプログラムは壊れてしまっている。」と語っております。
筆者もPowerBuilderに携わって10年が過ぎようとしておりますが、同じように思う場面が多くありました。 「今さら」「クラサバ!」「PowerBuilderってまだ有ったの」等々、ファーストコンタクトのコメントはともかく、お話を進めていると、課題の根源はPowerBuilderそのものにあるのではなく、結果的にはシステムマネジメントやその他の要因に関連する問題が多かったように思います。
本格的な経済活動はまだまだ不透明ではありますが、最近になって事業活動が徐々にではありますが進み始めている事を実感しております。
実際、PowerBuilderの出荷数は3月、4月、5月と前年同月比を大幅に上回るのみならず、ここへ来て追加購入をされるユーザ様も着実に増えてきております。 当然、ユーザ様の業種業態、システム環境により一概には申せませんが、拡大傾向にある在宅勤務への対応等、アプリケーション開発の現場でも、対応が迫られている場面が多くあるのではないかと想定しております。
また、これも在宅勤務対応では?思われるのが、PowerBuilderをWeb化するPowerServerへの問合せが増えてきている事です。 Appeon社が公表しているアンケートでも、欧米のPowerBuilderユーザ様で実際に仮想環境でのアプリケーション利用をやめ、PowerServerに切り替える意向のユーザ様が増えてきているとの報告も、それを裏付けているように思います。
※当社責任者の口癖でもある、「今さらながらPowerBuilder」が現実的になり始めております。
本来であれば今年から来年に掛け、PowerBuilder30周年の佳節を盛り上げるため、展示会出展(4月から10月に延期)を皮切りに、関西や九州をはじめ各地でセミナー等を企画しておりましたが、昨今のコロナ禍もあり、企画全般を見直さざるを得ない状況となっております。
例年、米国フィラデルフィアで開催されておりました、Appeon社主催のカンファレンスも、今年はドイツ開催の予定が早々にWebカンファレンスへ変更となりました。
NCSとしましても、今年度はWebでの活動が一層増えてくるかと思いますが、今まで以上にPowerBuilderユーザ様にとって有益な情報を、頻繁に発信しなければならないと考えております。
PowerBuilder30周年をユーザ様と共に前向きに、そして盛大に迎えさせていただきたいと思います。
営業部 K