インボイス制度実施まで、後 249 日(約 150 営業日)… システム開発とシステム運用の境目は?

インボイス

令和 5 年 1 月となりました。本コラムのインボイスシリーズも連続 3 回目となり、いよいよ待ったなし…ですね。

弊社は「適格請求書発行事業者」であり 2018 年(平成 30 年)7 月に最終更新を終えて登録法人番号は、2010401083715(13 桁)となっております。この登録法人番号は、英語登録申請を行えば世界的にも活用ができます。

弊社も夏に向けて粛々とインボイス制度対応に向けて準備をしているところです。

さて、本件については、現状ネット上でもさまざまな特集やいろいろな事例情報が日ごとに増えている状況でありますが、自社のシステム開発における要件定義 Phase を終えて、すでに開発を終了しテスト工程に向かっているお客様も多いと思います。

請求書

国内で事業運営を行う全ての法人は、消費税に関しては「仕入税額控除」を行うためにも今回のインボイス対応を行うことは当然なので、自社の取引先 DB(得意先・仕入先含む全て)なりインボイス用 DB に必要項目など追記登録を前提とした開発を行い必要な処理ロジック(登録・集計・表示・帳簿保存等)が追加されていきます。

もちろん、免税事業者や海外企業からの仕入も税額控除可否確認が必要となりますので、そのロジックも含まれます。 新しい取引先が発生した場合、実際の売上行為までに通常一定の期間があるので、社内の所定の契約手続きを行う過程でインボイス制度に必要な情報は、事前に DB 登録は可能なので特に大きな混乱はないと思われます。

領収書

課題とすれば、経費にまつわる日常の処理でしょうか? 1 件 1 件の金額は少額ですが、企業規模に比例して、これは発生現場数や発生頻度は高い処理になります。つまりは、どこまで厳密に行うのか?それは、誰が?何のために?何を?どのレベルまでシステムで行うのか?それとも新しい運用ルールを工夫して、さまざまなケースを主たる追加開発した処理ロジックに乗せるのか?の境目を見定める必要があるということだと思います。例えば…

・施工現場で部材が不足したので、近くの DIY ショップで代用部材を購入し構築した

・営業がクレーム発生した遠方の取引先までお詫びのお菓子を買って急ぐ上で、目の前に来たタクシーに飛び乗った

この 2 つの事象は、良くあるケースでしょう。2 件とも、しっかりと領収書は受領して精算処理が出来ますが、もし、その処理画面に「購入先名」や「登録法人番号」が出てきたら?領収書に記載されている正式名称や 13 桁の登録番号を入力…?正しい記載?けれども、たまたま立ち寄ったところで購入しただけなので、どちらかを画面上から手入力をさせて、WebAPI 連携させて国税庁の「適格請求書発行事業者公表システム」から正式な値を入手するのでしょうか?逆に免税事業者だったらどのように?

悩む

※ 令和 5 年 1 月 20 日「適格請求書発行事業者公表サイト運営方針の改訂」PDF

※ 国税庁「適格請求書発行事業者公表システムWeb-API機能」

概ねこうした入力処理は、現場社員自らが行うようになっている法人が多数でしょう。タクシー代金も法人タクシーは消費税表記、個人タクシーは現在、消費税額は表記無し…です。駅ナカの和菓子屋さんで買ったお菓子の領収書をよく見るとお菓子屋さんの名称ではなくその駅ナカモールを運営している会社だった…これを入力すればいいの?従来は該当項目や備考欄にテキスト手入力で問題なかったのに…などなど。一方、最新の会計パッケージを採用すれば、製品のさまざまな機能がこうした煩わしさを解決していますし経費精算クラウドサービスも数多くあります。しかし、いずれにしても WebAPI 連携して原価管理システムや経費管理システムに取り込まねばなりません。それ以上に、現場社員の負荷を抑えながらも情報リテラシー向上は非常に重要です。加えて、領収書を貰う時点から、必要項目が記載されているか?の確認も必要です。乗るタクシーも選ぶの?飲食店もチェーン店だけ?まさか…ですよね。

こういう状態は、システム開発の範囲や難易度を推し測ると同時に、新しい運用ルール設計と現場への理解徹底に大きく工数を取られることを意味します。

つまり、インボイス制度自体、取引の発生やコストの発生の出発点…フロントエンドでの改修を求めており、事業運営はすべてここから始まるからであります。

PowerBuilder は Rapid 開発環境を提供していますので、マイグレーションと短期間でのシステム改修を行い、現場運用支援に多くの工数を振り向けることができます。あと 150 日ですから、ローコード IDE としての威力を存分に発揮して、データ入力の最先端の入力者の負荷軽減に努めてほしいと思います。

※ PowerBuilder の WebAPI 機能「WebAPI連携システムへのマイグレーション」

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