PowerBuilder回帰Ⅱ ノーコード、ローコードツールのおかげです

前回は、クラウドファーストの潮流からクラウドスマートへ潮目が変わりつつある環境から、クラサバ回帰およびクラサバスマート(クラサバを賢く適切に利用する)の傾向が強まっているという流れで、PowerBuilder回帰という内容を書きました。

 

今回は、クラサバ回帰の傾向はもはや本流に近づいていると言っても良いのでは?と個人的に思っている、PowerBuilder回帰の市場動向を別の側面から書きたいと思います。

 

実はコロナ禍が始まってからというもの、PowerBuilderユーザー様にお集まりいただくユーザーセミナーが開催できなかったこともあり、2020年から4回連続でJapan IT weekのソフトウェア&アプリ開発展に出展しておりました。

当初は、PowerBuilderユーザー様向けに『PowerBuilderは元気です!』というアピールを込めたスタンスでの出展でしたが、来場者の大半がPowerBuilderをご存知ないばかりか、ノーコード&ローコードツールをご検討されている方々ばかりでした。

 

ノーコードは『非技術系ユーザー向けのツール』、ローコードは『開発者向けのツール』と認識しておりましたので、PowerBuilderもローコードツールという位置づけで出展しておりましたが、ローコードツールを探しに来られた方の多くが、『ほぼコードを書かないツール』という認識を持たれていたようでしたので、徐々に展示内容も『非技術系』は対象外、あくまでもプロの開発者向けローコードツールというテイストを演出しておりました。

ところが、2020年出展時と違い、2022年~2023年の出展時には既に何らかのノーコード、ローコードツールを利用されていた方々が、更に高機能かつ高生産性のツールを求め、より具体的かつ明確な目的で来場されておりました。

実際に展示会場のデモをご覧になり、評価版を利用したうえでの導入、既存システムをPowerBuilderでリプレースするユーザー様まで獲得するという嬉しい事例もありました。

 

上記はレアケースで、一足飛びにPowerBuilderに移行されるユーザー様は多くはありませんが、お話をしてみると『御社の基幹システムはPowerBuilderで開発されていますよ』『御社が販売されているパッケージはPowerBuilder製です』『これだけのユーザー様が今も活用されているツールです』との回答に、『まったく知らなかった』『えっ、うちでも使っているの?』といった声も多く聞かれるようになり、『会社に戻って関係者に聞いてみる』といった声も多数。

 

さて、本日の主題ですが、最近の展示会場で一番多く聞かれたお話は、『いま使っているツールは、痒いところに手が届かない』『一長一短が有り過ぎる』というもので、やはり汎用的なスタンダードツールに帰結するのでは?といった感想が多く聞かれました。

事業部門の方々が、『いますぐこのデータが見たい』『レポートに必要なデータを抽出したい』といった、情報系に属するアプリケーションなどは、業務に詳しい事業部門の方が、それこそノーコードツール等で作り出すという方向性は間違っていないと思います。

しかしながら、情報を突き詰める作業(膨大なデータ収集、抽出、分析)などを的確に行うためには、やはり基幹系との連携は必須となり、結果的には『開発者向けツール』にたどり着くのだと思います。

 

 

 

いま、弊社の取り組みとして『PowerBuilder技術者を増やす』というテーマでPowerBuilder入門編を、PowerBuilder Japan PortalおよびYouTubeで連載しております。

数年前までは『PowerBuilder技術者を探している』といった声が圧倒的でしたが、最近では『PowerBuilder技術者を自社で育てたい』『PowerBuilder技術者の代替わりが目前で、研修を依頼したい』という内製化志向のお客様が格段に増えており、この声に応えるため入門編に続いて来年からは機能編をリリースする予定となっております。

 

本来は既存ユーザー様向けのサービスの一環でリリースしておりましたが、最近では、展示会などに来られたお客様や、PowerBuilderを評価してみたいというお問合せに対し、『まずはPowerBuilderに触っていただく』という目的で、入門編をご案内することも多くなってきました。

この動向も、バズワード化しつつあるノーコード&ローコードツールがシステム開発機会の底上げを促し、結果的にPowerBuilderに行きつく方々が増えることにつながっているとの実感から、表題の『ノーコード、ローコードツールのおかげです』になりましたが、この場合はPowerBuilder回帰ではなく、PowerBuilder再評価が適当かもしれません。

オンプレ回帰(脱クラウド)やローコードツール全盛という環境はありますが、年率10%以上の成長を維持し続けるPowerBuilderも、脱クラウドの選択肢に入っていることは間違いありません。

 

来年、PowerBuilderは3年振りとなるメジャーバージョン『PowerBuilder2022 R3日本語版』リリースを予定しております。また、メジャーバージョンリリースに合わせ、これも4年振りとなるユーザー様向けのセミナーを予定しておりますので、続報を楽しみにお待ちいただければと思います。

 

これで、今年最後のビルダーコラムを終わらせていただきます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

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