長篠の戦いと PowerBuilder?

戦国時代
設楽原古戦場跡

ちょうど今から 447 年前の 1575 年 5 月 21 日…時代は戦国時代、武田勝頼率いる武田軍と長篠城を守らんとする徳川・織田連合軍が、設楽原(したらがはら:現在の愛知県新城市)で合戦となり、約 8 時間という当時では信じられない早さで決着がつき武田勝頼軍勢に甚大な被害を与えて壊滅・敗走させた有名な「長篠の戦い」がありました。

この戦い以降、従来の合戦の在り方を大きく変えた…とも後々論評される合戦だったようです。

今から約 35 年ほど前でしょうか?当時の IT 業界では、「SIS」が活況を呈していましたが、SIS のコンセプトを伝えるために「長篠の戦い」の構図が良く使われていました。SIS とは、「戦略情報システム(Strategic Information System)」の略で、情報システムを企業経営において競争上の優位を築くための経営戦略の中核に位置づける考え方として、当時のヤマト運輸・花王・セブンイレブンジャパンなどの情報システムが SIS 事例として数多くのメディアに取り上げられました。そうした企業が、今なお進化し続けていることは本当に業界における真のICT先駆者なのだと思います。

では、なぜ「長篠の戦い」の構図が、当時「SIS」に良く使われたのか?

企業として自社を取り巻く外部環境の中で、競合他社より競争優位に立つ上で情報システムの在り様を

・槍、刀、弓矢より一歩先んじた鉄砲を 3,000 丁もの圧倒的な数を用意して迎え撃つ…しかし当時の鉄砲は 1 回撃つと、弾薬込めるのに時間が掛かったため 1,000 丁 3 交代で間断なく連射する三段撃ち陣形と快晴の日を狙った戦術

⇒最新IT技術をフル活用し、その製品の持つ弱点を圧倒的な数と運用方法の工夫で解決し、最大効果を発揮させる

・百戦錬磨の武田軍の騎馬衆の強み=スピード・機動力・攻撃力を野戦城化の陣と「馬防柵」で弱める戦術

⇒重要な取引先を優遇し、依怙贔屓できるシステムロジックを組み込み(守備固め)囲い込む

・そして設楽原での決戦に持ち込むため長篠城を見下ろす武田軍の鳶ケ巣山砦を奇襲で攻め落とし武田軍の退路を断つ

⇒必ず勝てる自信がある「設楽原での決戦」に持ち込むことが、まさに「戦略」

(※この奇襲の逸話こそまさに戦略そのもの…であり、本来は戦略とは公言せぬものなんですよね)

鉄砲 設楽原古戦

と IT 技術(当時であれば PC やハンディーターミナルや POS の早期大量導入)を用いた「戦術」と自社が戦いに必勝できる「戦略とは何か?」に分けて論じられたものでした。

現在では、騎馬衆の強さも三段撃ちや鉄砲の実際の数も含めて江戸時代初期の小説「信長記」での作り話では?との評価になっていますが、ここ最近のDX戦略においても「長篠の戦い」の構図が同じく良く使われていることが筆者としては、とても興味深いところです。


さて、ノーコード・ローコード開発ツールへの関心度がますます高まっているのですが、特に今年は、様相が違ってきています。PowerBuilder に興味や関心を持っていただけるお客様のご意見から伺えるのは、単に早く簡単に開発できるだけでなく、本格的に「自社特有の業務課題を解決する上での業務ロジックのシステム化」や自社仕様の帳票や画面設計ができることが条件に加わってきているように感じるのです。

考えてみれば、SIS ブームの当時も現在も、各企業にとっては他社との競争に負けない自社の強みや差別化をどのようにシステムで実現するか?の本質は何も変わっていないと考えます。大切な取引先へのサービスを手厚くすることが自社の売上・利益に直結するならば、そのお取引先様にとって都合のよい業務ロジックにすることがシステムの命題になります。例えば「重要な取引先の店舗在庫補充を最優先するシステム化」のためにどのような業務ロジックが必要で、それらをモニタリングする帳票や画面はどう設計するか?など、その企業固有の事業環境や社内体制に基づいたシステム化の狙いがシッカリとあるからですね。

経営者

会計システムのように結果の正確性や公示性を重要視するシステムと違い、受発注や生産調整・在庫調整、入出荷や各種問い合わせシステムは、まさにリアルに起こるさまざまな事象に対応することが目的であり、それこそ良い意味での「依怙贔屓」「我田引水」を柔軟に早く開発・実装できる IDE は?という検討と判断は必ずあります。

待遇面

SIS ブーム後に登場した PowerBuilder が今なお活用されていることを考えると、依怙贔屓できるシステムロジックや UI 開発が早く的確にできる IDE として最適だからでは…?とつい我田引水したくなります。 けれども、そう考えるとなぜか嬉しく誇らしく感じ、これからの時代に向けて、当時の「長篠の戦い」の構図を使って PowerBuilder の戦略・戦術を想像してみたくなりました。


まず PowerBuilder の強みは、なんと言ってもデータウィンドウです。DB アクセスに長け、SQL 文を自動生成…これもデータウィンドウがあってのことか?では、最新の IT 技術は?というと、う~む…。圧倒的な数を保有することでなにか?う~ん、これも考えが及ばない…さて、困ったぞ。(汗)

「イヤ待てよ…何も徳川・織田連合軍側だけで考えても仕方ない。逆に武田軍の深紅の騎馬衆の強さに PowerBuilder を置き換えて考えてみればどうだろう。」と思い直し、武田軍としては、足元が悪い設楽原に馬ではその強さが発揮できないし、平原での合戦で数とスピードで圧倒する戦いか?やはり桶狭間の戦いのように、奇襲戦でスピードと機動力で敵軍に混乱を与えて個々の攻撃力で敵の大将の首を獲る「戦術」が望ましいのではなかろうか。 つまりは、PowerBuilder とは、データウィンドウの高い機動力を発揮させ開発スピードや完成度を上げてエンジニア個々の業務ノウハウ(攻撃力)を活かす騎馬衆なんだ。そもそも「長篠の戦い」をしてはいけないのでは?とハタと気づきました。(笑)

戦国時代

と同時に「徳川・織田連合軍」に立ち戻って考えますと、まずは「馬防柵」として競争相手の勢いを止めるべく固い守備で主要取引先をまず贔屓できるシステム開発と API を活用して、最新 IT 技術や利用方法に特化した他製品との連携強化を図りながら得意な領域に特化するオリジナリティあるシステム開発という「戦術」にも辿り着きました。

こうして思いを巡らしますとまだまだ、PowerBuilder の強さを活かせる「戦術」は、数多くありそうですね。 「それは、どのような戦略?」…それは、敢えてここでは公言できません。戦略=計略ですので、秘匿事項となります。(汗)

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