PowerBuilder回帰と脱クラウドの相関

元々の情報ネタは『オンプレ回帰と脱クラウド』でしたが、ここはビルダーコラムですので、PowerBuilder市場動向などを交え、話を進めたいと思います。

 

クラウドファーストの勢いは相変わらずですが、利用者拡大とともに、徐々にメリット・デメリットが明確化されてきており、最近ではクラウドロックインというキーワードと共に、脱クラウドを示唆するかのような記事を目にする機会も増えてきました。

 

ただ、この流れは決してクラウド自体を否定するものではなく、あくまでもクラウドサービスを効果的に利用するため、自社環境に合ったサービス利用をすれば良いのだということだと思います。

 

実際にデジタル庁のホームページに掲載されている、「政府情報システムにおけるクラウドサービスの適切な利用に係る基本方針」の改定についての概要でも、旧方針(2018年6月に初版)は、クラウドファースト(先ずはクラウドの利用を検討する)だったが、本方針ではクラウドスマート(クラウドを賢く適切に利用する)を目的とする。と明記されております。

※今後のキーワードは〇〇ファーストから、〇〇スマートになるのでしょうか…

 

さて、実は5~6年ほど前から、Appeon社のレポートを見ていると、お膝元の北米に限らず、中南米でも出荷数が右肩上がりとなり、その動きが今も変わらず続いておりますが、この傾向が少し遅れて日本でも見られ始めております。

 

特にここ最近、PowerBuilderから他言語や他ツールへ移行した(と、お聞きしていた)お客様からのPowerBuilderサブスクリプション購入や、PowerBuilderで大規模システムを構築されてきた金融、製造メーカー様から、旧バージョン(PowerBuilder12.6以前)からマイグレーション用のサブスクリプション購入をいただくなど、PowerBuilder回帰の潮流は、徐々に欧米並みの勢いを見せております。

 

この動きは当初、電帳法やインボイス対応による一過性のものと判断しておりましたが、最近の、特に大規模システム案件については、欧米同様にPowerBuilder回帰(既存資産の活用)の動きが活発化したものと分析しております。

 

 

 

今回の主題ですが、PowerBuilder回帰というより、むしろお客様のシステム環境に応じた『最適なインフラ選択』の動きにより、結果的にPowerBuilder継続利用を選択していただいたものと判断しております。

 

また、オンプレ回帰がそのままPowerBuilder継続利用につながるという単純な話でもなく、やはりAppeon社から継続的に出される製品ロードマップ(可用性)、他システムとのWeb API連携などの新機能(拡張性)、これらの実績を踏まえ、持続可能な開発ツールという安心感が醸成された結果だとも思っております。

 

当面、この動きは続くものと想定しており、既にサポート対象外となっている旧バージョン(PowerBuilder12.6以前)をお使いのお客様に、リスク回避の意味でも、また何よりも最新機能を搭載したPowerBuilderをご利用いただくため、提案活動を進めて参ります。

 

次回(年末ころ?)は『PowerBuilder回帰(活用)第二弾。ノーコード、ローコードツールのおかげです(仮題)』を掲載予定です。

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