柔軟な帳票設計などを実現 株式会社システムリサーチ様事例
柔軟な帳票設計などを実現
開発生産性の高いPowerBuilder
独立系システムインテグレーターの1社である「システムリサーチ」は、受託開発のほか、業務パッケージを展開している。業務パッケージ開発で使われているのがPowerBuilderだ。
■顧客満足度を追求し、ソフトウェアの品質向上に努める
システムリサーチは、受託開発をメインとしたビジネスを展開。顧客満足度を追求し、ソフトウェアの品質向上に努めている。情報セキュリティを維持するためコンプライアンスを徹底し、IT人材育成に力を入れている企業としても知られている。
同社でプロダクト製品の企画、開発、販売ならびに保守サポートを行っているのがイリイソリューション部だ。
「イリイソリューション部では、CTIシステムのほか、通販系や顧客管理系、バックオフィス系で必要となる業務パッケージを一通り揃えています」
(イリイソリューション部 営業管理グループ 上保祐美氏)
なかでも、社内に点在する顧客情報を一元管理できる「BIG顧客管理Neo」、請求業務の効率化や経理業務の効率化を行う「BIG販売管理Neo」や「BIG財務会計Neo」などは多くの企業から注目されている。
これらは業務パッケージなので、コストを抑えて導入可能。必要に応じたカスタマイズにも対応しているので、自社の業務にあったシステムを構築できる。
■短期間で多くのWindows版を開発したPowerBuilder
これらの業務アプリケーションの開発には、PowerBuilderが使われている。
「1987年に業務・業種ソフト“ビジネスプロシリーズ”を、1991年には“BIGシリーズ”をそれぞれ販売開始しています。これらは、MS-DOSプラットフォームで稼働しました。1995年には、Windows対応のBIGシリーズをリリース。このWindows版の開発に使われたのがPowerBuilderです」とイリイソリューション部 開発・保守グループ パッケージチーム チームリーダーの大熊敏行氏は話す。
MS-DOS向けのアプリケーション開発ではC言語が使われた。
画面周りも含めてすべての部品がコードで書かれていたという。
C言語は可読性が低いため、不具合が生じたらコードを印刷してひとつひとつ動作を追っていき、その原因を突き止めるといった作業が必要になる。検証作業にも膨大な工数と時間がかかっていた。
「Windowsが登場し、スピード感を持ってWindows向けのパッケージを開発する必要が生じました。いくつか言語を比較・検討した結果、開発生産性が高いPowerBuilderを採用したんです」と大熊氏は当時を振り返る。
開発生産性が高い統合開発環境であるPowerBuilderを使えば、Windowsアプリケーションの開発や、別売りのサーバーソフトウェア「PowerServer」と組み合わせればiOS/Androidまたはマルチブラウザで動作するWebアプリケーションの開発・運用が可能。1991年にバージョン1.0がリリースされて以来、多くの企業がPowerBuilderを使ってアプリケーションやサービスを開発している。
「1996年には、“BIGシリーズ”のWindows版を一通り揃えることができました。非常に短期間でWindows版が開発でき、その開発生産性の高さに非常に驚いたのを覚えています」(大熊氏)
当時の開発メンバーは7名。その人数で、MS-DOS版での開発と並行してWindows版の開発が進められたという。Windows95の登場から1年以内という短期間で8製品のWindows版を出すことができたのは、驚くべきスピードだ。
「PowerBuilderと比較していた他の言語は、PowerBuilderほどの開発生産性がありません。もしそちらの言語を選定していたら、これだけのアプリケーションをリリースすることはできなかったでしょう」(大熊氏)。
さらに、PowerBuilderで開発されたアプリケーションは、可読性が高くメンテナンス性も高い。ソースの可読性という課題も、PowerBuilderで解決できた。
■教育コストが低く、エンジニアを育てやすい
「教育コストが低い点もメリットでした。PowerBuilderにはチュートリアルが用意されていて、これを使えばプログラミング初心者でもPowerBuilderを使えるようになります。当社の場合、新入社員にはチュートリアルを体験してもらっているので教育の手間もかかりません。非常に助かっています」(大熊氏)。
その結果、PowerBuilderのエンジニアが増え、現在でも業務パッケージの開発にPowerBuilderが使い続けられているという。
「業務パッケージは、税制や制度の変更に応じて毎年のようにメンテナンスしています。PowerBuilderなら、そういったことにも短期間で対応できてとても助かります」(大熊氏)。
さらにPowerBuilderの特徴的な機能であるデータウィンドウは、開発者にとって大きなメリットがある。
「BIGシリーズには、ユーザーが帳票を自由に作成できる“帳票設計機能”があります。標準でも帳票のテンプレートは用意していますが、お客様自身で帳票を設計したいというニーズは根強いですからね。この機能はデータウィンドウで提供されている機能をそのまま使用しています。そのため、関数が使える上、作図などもできます。もしPowerBuilderにデータウィンドウがなければ、同様の機能を開発するのは非常に工数がかかるでしょう」(大熊氏)
データウィンドウとは、データの取得や格納オブジェクトを兼ねた画面表示部品のこと。取得したデータを帳票として表示したり、グラフを表示したりすることも可能。入力した内容をデータベースに追加・更新などもできるので、帳票の設計なども簡単に作成できる。業務パッケージを作成しているメーカーにとって、これだけの機能を簡単に使えるのは大きなメリットといえるだろう。
「PowerBuilderもWindows10に対応し、落ち着いてきた印象です。問い合わせにも迅速に対応してもらえるので、非常に助かっています」(大熊氏)
システムリサーチにとってPowerBuilderは欠かすことができない開発ツールとなった。
同社のショーケースは、業務パッケージを開発・販売している企業にとって参考になるノウハウが多い。ビジネスのスピードに併せた業務アプリ開発や技術力の高いエンジニアの確保など、ITを取り巻く課題は多い。そういった課題の解決にもPowerBuilderは一役買うことだろう。
プロフィール
会社名 | 株式会社システムリサーチ |
設立 | 1981年3月 |
資本金 | 55,015万円 |
従業員数 | 1,084名 |
Webサイト | https://www.sr-net.co.jp/ |
取材月 | 2021年3月 |
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