「蔵王から世界へ」国内外で活躍する研削盤のトップメーカー「ミクロン精密」を支えるPowerBuilder ミクロン精密株式会社様事例

「蔵王から世界へ」国内外で活躍する研削盤のトップメーカー

「ミクロン精密」を支えるPowerBuilder

ミクロン精密株式会社は、国内シェア40%以上、世界シェア10%以上を誇る「センターレス研削盤(心なし研削盤)」および「内面研削盤(インターナルグラインダ)」のトップメーカーだ。山形県の蔵王に本社工場を構え、上山市にはみはらし工場とR&Dセンター、東京と名古屋には営業所があり、アメリカ・タイ・中国にはそれぞれ現地法人の子会社を設立している。同社製品は、自動車や建設機械、家電など幅広い産業分野で使われ各企業の製品開発に欠かせない存在となっている。そして、同社の成長を支えるITシステムのほとんどが統合開発環境「PowerBuilder」で開発されている。業務の高度化とビジネス拡大に寄与するPowerBuilderのメリットや効果について、管理部・次長の加藤勝也氏、管理部システム課・課長の安養寺一顕氏、同課主任の小笠原一成氏に話を伺った。

■センターレス研削盤のトップメーカーとして世界的に知られるミクロン精密

ミクロン精密は「センターレス研削盤(心なし研削盤)」および「内面研削盤(インターナルグラインダ)」の製造・販売を主な事業としている企業だ。特にセンターレス研削盤に関しては国内40%以上、世界10%以上のシェアを誇り、トップメーカーとして知られている。


「当社の主力製品である研削盤は精密部品の加工に使用され、自動車・電子情報機器・家電製品・建設機械・軸受・医療機器など幅広い産業分野の部品加工に採用されています。身近な例では、自動車のエンジン部品、冷蔵庫やエアコンなどのコンプレッサー部品、プリンタのゴムローラーや、工具のドリルの刃などの加工に当社の研削盤が使われています。お客様のニーズに合わせたカスタマイズでオンリーワンの研削盤を提供し、世界30カ国を超える国や地域に7,800台を超える納入実績があります。当社の研削盤が生み出す部品の精度は社名が表すミクロンレベルを超え、ナノレベルを実現しています。実際、国内外の多くのお客様から当社の技術に対して高い評価と満足をいただいております。現在、国外ではアメリカやタイに加え中国にも子会社を設立しグローバル展開しています」と管理部次長の加藤氏は語る。

ミクロン精密は60年以上の長い歴史を持つ企業だ。「中川精機株式会社の山形工場としてスタートし、中川精機製造株式会社を設立、その後、商号をミクロン精密株式会社に変更して今日に至ります。2005年には上場を果たし、最近では医療機器の開発をはじめ新分野にも挑戦しています。また、経済産業省2020年版グローバルニッチトップ企業100選に選ばれるなど世界市場での優位性も評価されています」(加藤氏)



~『目指すは限りなき円』~












    ミクロン精密の機械で研削した加工物       左から、安養寺一顕氏、小笠原一成氏、加藤勝也氏




■ミクロン精密のITシステム開発を支えるPowerBuilder

同社の活動を支えるITシステムのほとんどは同社のシステム課がPowerBuilderで開発している。


「現在、システム課には2名が在籍し、システム開発やインフラの運用・管理などを行っています。当社の特徴として業務システムのほとんどをPowerBuilderで開発していることが挙げられます。一部、給与計算など外部化した方が効率的な業務についてはパッケージソフトを採用していますが、PowerBuilderで開発すれば、パッケージソフトでは対応できない自社特有の業務に最適なシステムを開発できてユーザーからの要望にも細かく迅速に対応できます」と管理部システム課課長の安養寺氏は説明する。


システムを効率的に開発・運用・保守していくためには、開発生産性向上のための手段が最も重要なポイントとなる。それが同社がPowerBuilderを採用する最大の理由だ。PowerBuilderはアプリケーションの高速開発/ローコード開発を実現し、生産性に優れた統合開発環境として数多くの業務システムで採用されている。

「当社では 1990年代後半にオフコンで運用していた業務システムをPowerBuilderにリプレースし、その後は2004年にリリースされたPowerBuilder 8.0.4を中心にシステム開発をしてきました。PowerBuilderは開発生産性が非常に高く、すぐに使いこなすことができます。私も転職して初めて使いましたが3日間ほどの研修で使えるようになりました。加藤と私が入社した2006年当時を振り返ると、PowerBuilderの操作方法の学習よりも既存システムのビジネスロジックの理解に多くの時間を費やすことができました」(安養寺氏)

データベースでは複雑なSQL文の作成や結合操作などが必要になるが、PowerBuilderの独自機能「データウィンドウ」を使えばそれらの作業も簡便化できる。データ検索/更新に必要なSQL文を自動生成できるほか、主要なデータベースとのネイティブ接続が可能だ。そのため、データベースのデータをさまざまな様式で表現できる高レスポンスのアプリケーションをローコードで簡単に開発できるのだ。

■高品質な研削盤の製造を支える生産管理システム

「当社のPowerBuilderシステムは大別すると、生産管理システム、経理システム、原価計算システムの3つがあります。私が入社した2006年当時と2023年時点のデータを比較すると、3つの業務システムの合計ライブラリ数は約600から630に増加しており、ウィンドウ数は約6,000から6,700に増加、データウィンドウ数は約13,500から15,000に増加、データベースのテーブル数は約1,100から2,600に増加しています。経理と原価計算は2006年の時点でほぼ現在の形になっていましたが、生産管理システムは大きく変化しており、2006年以降、適宜リクエストに応える形で『出荷計画』、『部品引渡書』、『研削結果報告書』、『販売管理』、『図面管理』、『予算管理』などのサブシステムを追加開発してきました」(安養寺氏)



~出荷計画(カレンダ形式)~

「『出荷計画』は生産スケジュールを共有するための画面で、ほぼすべての部署で使用します。この画面では大日程として18の工程に分割して、責任者が日付を設定します。中日程以降はこの大日程を元に、各部署で個別に管理していきます」(安養寺氏)


~出荷計画(表形式)~



~設計部品登録~

「『設計部品登録』は製品仕様に基づく設計BOM(部品表)を管理するための画面で、設計部門で使用します。図面情報を持つ部品はそれとリンクさせて、調達BOMに展開します」(安養寺氏)



~調達手配登録~

「『調達手配登録』は設計BOMに基づく調達BOMを管理するための画面で、調達部門で使用します。部品ごとに、在庫から引き当てるか、新規に手配するかを検討します。新規手配の場合は、社内の加工部門に依頼するか、社外に発注するかを検討して、結果を共有します」(安養寺氏)



~部品引渡書~

「『部品引渡書』は調達BOMに基づいて手配された部品を製造担当者に引き渡すまでの管理を行うための帳票で、調達部門と製造部門で使用します。引渡書に記載されたQRコードを読み込むと、誰が、いつ、どのあたりで部品を受け取ったかのログが残ります」(安養寺氏)


~研削結果報告書~

「『研削結果報告書』は完成した研削盤ごとに研削テストを行い、どのような加工物が、どのような条件で、どのような結果が得られたかをデータとして管理する画面で、技術部門と製造部門で使用します。最近では、得られたデータを開発部門でAI分析してさらなる品質向上に役立てています」(安養寺氏)


「PowerBuilderを手放せない理由のひとつに独自機能のデータウィンドウがありますが、例えば、『出荷計画』の開発においてデータウィンドウの特長が活かされています。この画面は生産の各工程の予定と実績のデータを読み出し、カレンダ形式もしくは表形式で表示しますが、読み出した結果はデータストア(表示機能のないデータウィンドウ)に保持しながらも表示用のデータウィンドウはカレンダ形式もしくは表形式で切り替えられるのです。また、完了した工程、完了予定日が近い工程、重点的に管理すべき工程など状況によってさまざまに色分けする制御を行う仕様ですが、PowerBuilderのデータウィンドウは項目間の連携など細かな設定がいとも簡単に実現できるのです。他には、『部品引渡書』で出力する引渡書もデータウィンドウで作成しますが、帳票類を素早く作成・出力できるのもデータウィンドウの特長のおかげです。一概には言えませんが、シンプルにデータベースにアクセスする形のシステム開発ならば、他の言語・ツールと比べて、画面部分と作表部分は3倍、ビジネスロジック部分は2倍ほどPowerBuilderの方が圧倒的に早くて、生産性の高さを実感すると思います」(安養寺氏)

■システムのUnicode対応のためにPowerBuilderマイグレーションを実施

PowerBuilder 8.0.4を使って業務システムを開発するなかで問題も生じてきた。当時、中国での販売実績が順調に拡大するなかPowerBuilder 8.0.4がUnicode対応していなかったため、中国語の入力に支障が出てきたのだ。これに対応すべくPowerBuilderで開発してきた既存システムのマイグレーションが検討された。


「中国語対応の先送りが限界に来たため、PowerBuilderを最新バージョンにマイグレーションして各システムをUnicode対応にすることにしました。2022年に入社した小笠原が担当となり、日本コンピュータシステムのサポートからアドバイスや解決策を提供してもらうことで、予想以上にマイグレーション作業をスムーズに進められたのです」(安養寺氏)

システム課としての通常業務を行いながらのマイグレーション作業は、実質的にはわずか2~3ヶ月ほどしかかからず、作業も順調に進み、問題はほとんど発生しなかったという。

「PowerBuilder 8.0.4からPowerBuilder 2019 R3へのマイグレーションは一足飛びに実施しました。バージョンが離れていたこともあり最初は非常に不安でしたが、日本コンピュータシステムのPowerBuilder Japan Portalにマイグレーション用の資料があって、これまでの経験則から、まずはバージョン間の非互換情報を収集し対応方法について検討するところから始めました」と管理部システム課主任の小笠原氏は語る。

「マイグレーションを進めるなかで、PowerBuilder 2019 R3で強化された機能を実際に活用することもできました。例えば、マイグレーションの前準備としてすでに廃止されている関数の置換などはPowerBuilder 8.0.4のソースで直接修正しておく必要がありましたが、PowerBuilder 2019 R3にはGitとの連携機能がありますので、連携を行った後は一括で置換できるなど、非互換修正の作業が容易になりました。また、もともと使用していたメール送信用のDLLがUnicodeに対応しておらずC#でライブラリを作成したのですが、PowerBuilder 2019 R3の .Net DLL Importerを使用することで作成したライブラリを簡単にPowerBuilderで使用することができました。すべての作業が簡単にできたとは言いませんが、壁に当たった時は日本コンピュータシステムのサポートに何度か問い合わせることで先に進むことができました」(小笠原氏)

■これからのDX、ビジネス拡大もPowerBuilderとともに

「当社では社員全員にスマートフォンを支給しているので、今後はこのスマートフォンの活用を拡大していきたいと考えています。勤怠・作業日報の入力、部品や各種材料の手配状況確認、棚卸入力、備品管理、簡単なアンケートの回答入力などはすでにWebブラウザベースのシステムで運用していますが、例えば在庫のピッキングなど経理的に複雑な処理を伴う業務はPowerBuilderでモバイルアプリの開発ができると生産性も高いですし、既存システムをさらに活かすことができるので期待しています」(安養寺氏)

「日本コンピュータシステムのサポートにも満足しています。今後はPowerBuilderへの要望や改善点も積極的に伝えていきたいですね。当社の成果向上に向けて、日本コンピュータシステムとの連携をこれからも大切にしていきたいと考えています」(加藤氏)


同社の業務を進める上で、すでにPowerBuilderは欠かせない存在となっているようだ。「技術と人柄」、「Innovation in Grinding」、「蔵王から世界へ」、今後もミクロン精密はIT技術を駆使した製品開発とビジネス展開を続けることだろう。その中心にはPowerBuilderがあり、これからのビジネス拡大や新規事業進出、さらなるグローバル展開への対応においても重要な役割を果たすだろう。


 

プロフィール

ミクロン精密
会社名 ミクロン精密株式会社
設立 1961年10月
資本金 651,370千円
従業員数 236名
Webサイト https://www.micron-grinder.co.jp/
取材月 2023年12月

 


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