カスタマイズ工数の大幅な低減も可能 大興電子通信株式会社様事例
PowerBuilderは教育コストが低く、開発生産性が高い
カスタマイズ工数の大幅な低減も可能
1953年に設立した大興電子通信株式会社の経営理念は、「情報サービスを通して価値あるしくみを創造することで、社会の発展に貢献します」ということにある。その同社が開発・提供している製造業向け生産管理システム「rBOM」の開発に、PowerBuilderが使われている。
■「お客さま第一」を徹底し顧客ニーズに応える
「お客さま第一」を徹底し、経営パートナーとして2万社を超える顧客のビジネス創造の支援をしている大興電子通信株式会社。顧客の課題を解決するため最適なシステムやソリューションを提案するだけでなく、必要に応じてフルスクラッチでの開発にも対応。現在、2,800社のパートナー企業と密接なパートナーシップを構築している。
「当社の特長は、ICTに関するコンサルティングからシステム設計、構築、運用、検証までワンストップで提供できること。お客様の事業拡大を目的とした“コトづくり”のご支援ができる会社を目指しています」と語るのはrBOMシステム部・開発課・課長の服部泰隆氏。
大興電子通信は、顧客ニーズに応えたさまざまなソリューションを展開している。製造業向け生産管理システム「rBOM」もそのひとつ。装置製造業・金型製造業・量産製造業の試作部など個別受注生産を行っている企業ニーズに応えて開発されている。
rBOMは、案件、見積、受注管理、債権管理機能を備えた販売管理モジュールと、「リアルタイム統合部品表」を中核とした発注管理、債務管理、在庫管理、原価管理、予算管理機能を実装した生産管理モジュールで基幹業務をサポートする。さらに見込み生産方式と受注生産方式のどちらの生産方式にも柔軟に対応できる「ハイブリッド生産」にも対応。多くの企業で活用しやすいソリューションとなっている。
rBOMの特長は、リアルタイムに反映される統合部品表という概念だ。これまで別々に用意されていた設計部品表と製造部品表とを連携させた部品表を使うことで、設計部門が作成した部品表を製造部門で使用できるようになる。急な設計変更などにも対応でき、不良在庫の削減などにも寄与している。
「rBOMは2001年に受託開発した生産管理システムをベースに開発された業務パッケージ。これまで生産管理システムは量産型の生産をターゲットにしており、多品種少量生産や試作品などを作る生産管理には使うことができませんでした。rBOMは、個別受注生産に特化した生産管理システムとして、長期間にわたり多くのお客様からのご支持をいただいています」(服部氏)
現在、rBOMは印刷製本などの機械製造や化学機械同装置製造、特殊産業機械製造、建設・鉱山機械製造、昇降機製造、鉄道車輌製造などの装置生産やプラントなどの個別受注生産で使われている。国内統合BOM導入実績ではトップクラスのシェアを誇るシステムとなっている。
■開発生産性が高いPowerBuilderでrBOMを開発
rBOMの開発に使われているのがPowerBuilderだ。
開発生産性が高い統合開発環境であるPowerBuilderは、Windowsアプリケーションの開発を軸に、別売りのサーバーソフトウェア「PowerServer」と組み合わせれば、iOS/Androidまたはマルチブラウザで動作するWebアプリケーションの開発・運用が可能。1991年にバージョン1.0がリリースされて以来、多くの企業がPowerBuilderを使ってアプリケーションやサービスを開発している。
「rBOMは、当初からPowerBuilderを使って開発しています。理由のひとつは、開発生産性の高さ。それに加え、Oracleのデータベースとネイティブに接続できた点も大きなポイントでした」(服部氏)
もちろん、ODBC(Open Database Connectivity)といった仕組みを使えば、他の言語でもOracleのデータベースと接続できる。データの件数が少なければパフォーマンスの問題はでないが、個別受注設計生産の場合、部品数が数万点に及ぶケースもある。それらの処理に時間がかかってしまっては、ユーザビリティが低下する上、導入企業の生産性が低下しかねない。そのためOracleのデータベースとネイティブ接続できる言語が必要だったという訳だ。
■カスタマイズの工数低減にもPowerBuilderが寄与
当初からPowerBuilderで開発されたrBOMは、V3まで更新されており、強固なフレームワークは現在まで確立されたものになっている。
服部氏は「PowerBuilderは他の言語と比べても圧倒的に開発生産性が高いと感じています。新入社員にも勉強させていますが、すぐにノウハウを吸収しています。半年も研修させれば、実践投入できるまでに成長します」と説明する。
開発生産性の高さは、カスタマイズを実施する際にも有効だ。rBOMの導入ユーザーの多くは、自社のビジネスに合わせたシステムにする目的でカスタマイズを実施する。その際、PowerBuilderであればあまり工数を掛けずにカスタマイズすることができる。
服部氏は「PowerBuilderで作成したパッケージは、カスタマイズの工数が圧倒的に少なくてすみます。言語によっては、PowerBuilderの2倍近い工数がかかるケースもありますからね」と力説する。
大興電子通信では、PowerBuilderの技術者を育てている。また、 フレームワーク製作を依頼している協力会社やカスタマイズができる協力会社もPowerBuilderについて熟知しており、開発側の体制も問題ない。このような開発支援体制を作ることができるのも、PowerBuilderの開発生産性の高さ故だろう。
「最新版のrBOM V3では、モバイル端末向けの保守システムや設計システムと連携することで幅広い顧客ニーズにお応えできています」(服部氏)
現在、多くのサービスがAPIでの連携に対応している。業務パッケージにすべての機能を持たせるのではなく、必要に応じてアプリケーションやサービスをつなぎ、顧客企業の業務をサポートできる範囲を大きく広げているのだ。
これまでシステム間連携といえば、CSVファイルを中間サーバーに置き、バッチ処理するというケースが多かった。その状況が大きく変わり、リアルタイムに情報を活用するためのプラットフォームとしてrBOMが活用され始めているという訳だ。
rBOMの開発やカスタマイズを支えているPowerBuilder。開発生産性が高いPowerBuilderを活用し、開発することで顧客ニーズに応え続けることができる。
大興電子通信株式会社にとってPowerBuilderは欠かすことができない開発ツールの一つとなっている。これからの顧客ニーズに応えるためにもPowerBuilderに掛ける期待は大きい。
プロフィール
会社名 | 大興電子通信株式会社 |
設立 | 1953 年 12 月 1 日 |
資本金 | 19 億 69 百万円 |
従業員数 | 1,217 名(連結)、721 名(単体) |
Webサイト | https://www.daikodenshi.jp/ |
取材月 | 2021 年 3月 |
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